ここでは自分で読んだ本を忘れて同じ本をまた買ってしまいがちな

私の為にメモ程度に読んだ本の感想を残していきたいと思います。

興味のある人、または同じ本を読まれた方は、”この本を読んでそれだけ

しか感じなかったなんて感受性の浅い人ね”とでも思いながら、また、

別の感想をお持ちの方はBBSにでも書き込んで頂ければと思います。

芸妓峰子の花いくさ/岩崎峰子

 "ほんまの恋はいっぺんどす"というサブタイトルに惹かれて読み始めました。なぜなら昭和24年生まれの

 作者が現在まで芸妓さんとしてどんな"一生に一回"の恋愛をしたのかに興味がありました。以前京都を

 訪れた際に、舞妓さん体験(舞妓さんのお化粧をしてもらって衣装を着せてもらって町を練り歩く)をさせて

 もらったり、都をどりを鑑賞する機会があったので、本物の舞妓さん、芸妓さんって、どんな一生なんだろう

 という興味もありました。(その方はまた生きていらっしゃいますが!)まず、特に外国人から受けやすいという

 一般の人が受ける舞妓さん、芸妓さんに対するイメージをとくところから始まり、舞妓時代に知り合ったという

 方との不倫の恋愛話が始まります。その方は最後にわかるのですが、奥様共に非常に有名な俳優、女優さんでした。

 恋愛もさることながら、この方の人生はすさまじいなぁというのが読後の感想でした。しかし同じ女として、

 この方ほどの根性と根気と商売に対する才覚はすばらしく、"あっぱれ!"という感じで、不倫の恋愛のことが

 書いてあるにもかかわらず、非常に爽快な読後なのがとても不思議です。

 この方はSuper舞妓、Super芸妓を経て、今では引退してビルのオーナーになり、女性を輝かせるいろいろな

 事業に取り組んでいらっしゃいます。そして独身だそうです。 この方こそ、今で言う、未婚の"負け犬"なの

 かもしれませんが、まさしく"勝ち組"の女性です。女性にぜひ読んでいただきたい本でした。 

 

ライン/乃南アサ

 深夜のパソコン通信(今で言う"チャット"ですかね)で顔も声も知らない人と、幻想の付き合いに

 嵌り(はまり)過ぎていく若者と、高校からの同級生が大学進学や、就職を通してう友情と嫉妬が

 複雑に絡み合うという2つ大きなテーマのある小説。乃南アサさんは1960年生まれで、この小説は

 1997年に描かれているが、本当に現代の若者をうまく描写していると思う。これだけうまく描写する

 には、"まったく近頃の若者ときたら。。。"と色眼鏡で見てしまっては理解できない部分だと思う。

 改めて乃南アサさんの観察力と文章力、構成力のすごさを認識した1冊だった。

 

ホームレスになった-大都会を漂う-/金子雅臣
 
東京都労働経済局労政部計画科勤務の筆者が目の当たりにしてきた現代のホームレスの
 生活と意見のルポタージュ。仕事に熱心なあまり、それを突然失った時に精神がその状況
 変化に伴いきれず、人間関係もおかしくなり、喪失感だけが残り、何もする気がなくなって
 しまって、結果的にホームレスになってしまった人達との対話等から、現代社会のひずみを

 浮き彫りにしていく。

 一つおもしろかった事は、ご本人は、あの体臭にはなれてしまって気にならないらしい。

 あと、季節に関係ない服装をしていることも、ずっと外にいることで、体質が外気の温度に
 なれるように変化するらしく、洋服は体の一部になるらしい。。。まぁ人生の中で知る必要の
  ないことではありますが。
 

幼児売買・マフィアに侵略された日本
/広野伊佐美
 
ホモの相手、労働力、売春婦にするために、また臓器移植の材料にするために
 海外から幼児を輸入、輸出するマフィア、 エイズ感染者と知っていて、売春婦を
 日本に送り込む、露天商、中古車輸出ビジネス、 偽装結婚、不法滞在等の
 題材に体当たり取材で臨んだサンデー毎日新聞記者の ルポ。
 カラ恐ろしくなると同時に、よくそんな商売を思いついたと、感心さえしてしまう1冊。
 ただ、お金、生活のために我が子を売る母親がいることにはショックを受けた。
 

西伊豆美しき殺意
/西村京太郎

 これも十津川警部シリーズ。わりと古い小説なので、刑事同士の連絡のとり方が
 携帯電話じゃないのが読んでいてじれったい気がする。


パリ発殺人列車
/西村京太郎
 パリの列車内で発生した事件をおう十津川警部シリーズ。
 以前少しだけ立ち寄ったパリの風景等が西村京太郎氏の完全な描写で蘇り、
 楽しく読めた。ロシアシリーズも書いてほしいな♪


禁じられた島へ/岸本 葉子

 エッセイストの岸本葉子さんが、色丹在住の二世から、青森に住んでいるはずの

 自分の父親との再会や、文通が出来るように手伝ってほしいという依頼を受ける所

 から旅が始まる。戦時中、シベリアの監獄送りになる事から逃れるために国後、色丹に
 逃亡してきた日本人がそこで仕方なく家庭を作っていたこと、それからロシアの生活に
 なじむまでの苦労などが紹介されている。
 日本もロシアもその国が自国であると認識しているため、 ビザの発行に大変手間取る。
 飛行機は晴れて人数が集まったときにしか出発しない、 常に見張りの人が同行する、
 等、困難がたくさんの旅行であった。でも、是非行って みたい!
 この本はまだソ連時代の旅行の本であるため、(出版は1992年)今とは状況も大きく
 違うと思うし、ビザ無し渡航が数回ありました。しかし未だに見えない国境があることは
 事実でしたし、当時あった国境のため、離れ離れになった家族と言うのは本当に国の
 都合によって大きな被害を受けた戦争被害者なのだと思いました。

 

撃退!! 女性のための犯罪マニュアル/佐伯 幸子

 女性が巻き込まれ安い犯罪に関して、ミニストーリー形式で実例と注意点を
 わかりやすく説明している。海外でしか起きないと思っていた身近な犯罪も、
 今では日本でも簡単におきている。自分が被害者にならないために、また
 自分が知らない間に犯罪者にならないように、日常的に気をつけるべきことが
 たくさんあることを知った。
 

 

1人になれない女達/袴野 未矢

 買い物依存症、電話、恋愛にのめりこむ心理。

 何かしらの心の病気から、恋愛、電話、友達、買い物、などに依存する女性達の

 いくつかの事例をもった解説集。この本にかかると、すべてが"依存症"と診断され、

 何かしらの病気かと思ってしまいそう。。。ですが、やはり初期状態で気付かないと

 あとあと自分が困ることになってしまいます。自己で気付きにくいだけに、予防の

 方法がない。せいぜい健康な心と体をもつことが重要と思われる。

 もう一つの理由としては、便利な現代の病気とも思える。

 例えば電話依存症などは携帯電話が普及してから、買い物依存はクレジットカードの

 使用範囲が広くなったから、等。

 強いて言えば私は文鳥依存症。。:)

 

インドネシア人/キャシードレイン

 旅行に行きたくて読んでみた本。行く前と行った後では読後の感想も多少違う。

 旅行に行く前に心得として軽く読んでみた。 

 

超特急「つばめ号」殺人事件/西村 京太郎
 相変わらずライトノベルを読んでしまいます。。これは以前、昭和15年の記念列車「燕」を再現し、
 当時の招待客とその関係者18名を乗せて走るイベント列車「つばめ」の中でおきる事件の話。

 日本でこれから戦争に突入するぞという時代背景が現代の推理小説にマッチしていて、おもしろかった。

 

好きだけど嫌い/乃南 アサ

 乃南アサさんが日常感じているのであろうということの意見本。中でも"アナログ人間"という章が気に入った。

 内容としては、作家として、日常的にFAXを使いこなしてはいるけれども原稿は手渡しで渡すものだとか、

 FAXで文字が髪に現れてくる仕組みがいまいち理解できないので使いにくいとか。現在日常的になっている

 デジカメやDVDの映像は全て細かい■□で構成されているきわめて現実に近い人口の世界であるという点。

 「なま」をそっくりそのまま映し出しているのではなく、全てをデジタルという網ですくいだし、そのフィルターを

 通して洗い出しているのである。という文章で、はぁ〜、なるほど、と思った。人間そっくりの赤い血が流れる、

 けれどもその血も拡大してみたら■□でできている、というようなデジタル人間がいたら、本物の人間が

 いなくても世界は精密にコントロールされて動いていきますね。

 

ドジでマヌケな犯罪者達/Daniel Battler,Alan Ray,Leland Gregory (訳・倉骨彰)

 全米で放送されているという人気番組の"America's Dumbest Criminals"という番組から

 選り抜きのドジでマヌケな犯罪者達の実話。例えば自分の会社と本名入りのT-シャツを着たまま、

 顔だけを隠して強盗に入った犯人、顔を紙袋で覆ったために顔の向きを変えることができなくて

 失敗した銀行強盗犯、金庫を盗んだはいいが、開錠することが出来ずに道路に捨てた犯人等

 の話。実話らしい。ぜひともロシアや南米の話も取り入れて欲しい。

 

十津川警部「裏切り」/西村京太郎

 大好物、十津川警部シリーズです。

 新宿歌舞伎町を舞台にした事件の捜査。

 

東海林さだおの大宴会/東海林さだお

 この本は海外出張時にそこの駐在員の方から頂きました。内容は一つの料理、例えば味噌チャーハン、

 ひつまぶし、ハムエッグ、プッチンプリン、ハンバーグ、かつカレーなどそのテーマに沿って6ページほど

 ウンチクをたれている内容なのですが、全てにおいて、"そうそうそう!"といちいち相槌を打ちたくなる程

 的確な表現で非常に楽しめました。どうして味噌汁を飲んだ後に"あー"というのか、どうして冷やし中華の

 スープはあの量なのか、ソフトクリームの一口目がおいしい謎など、今まで気付かなかったけれども

 考えてみれば大きな疑問がすべて一挙に解決されます。

 しかしこの本を私に下さった海外駐在員の上司はこれを読み、海外では食べることの出来ない

 ラーメン、餃子、かつカレーなどの中毒反応には犯されなかったのだろうか。自分がその立場だったら

 果たしてどのような行為に走るのだろうか、と考えただけでも空恐ろしくなりました。

 

AV男優/家田荘子

 家田さんの本は好きで殆ど読んでいるが、この本が発行されていることは知らなかった。

 家田さんは自称孤独好きで他人とのかかわりをあまり好まないタイプらしいのですが、苦労して

 いい会話をしているのが良くわかります。彼女の著作は他には有名なところでエイズ患者を

 テーマにした"私を抱いてそしてキスして"や"極道の女達"があります。

 この本はチョコボール向井を初めとするAV男優さんたちのインタビュー集です。

 思うに、AV男優になる道のりは孤独→いじめられっこ→変態→AV男優という道のりと、

 もてる不良→水商売→AV男優と大雑把に分類することが出来るのではないかと思いました。

 全てが同感できる内容ではないのですが,そんな人生もありなのか、そこから開花する人生も

 あるのか、と考えさせられる内容の本でした。卑猥な単語が含まれていたので、電車の中で

 通勤途中に読むには少し不適切かも。。と思いました(笑)

 しかし全てが家田さんの豊かな感受性と、表現力により述べられているので、興味深い

 本でした。

 

金太のサラ金業務日誌/金太

 サラ金会社に勤めて4年のサラリーマンが自分のWEBサイト「サラ金業務日誌」綴っていた文章が単行本になった版。

 これを読むと、借りた方が悪いのか、貸した方が悪いのか、鶏が先が卵が先かに似たような

 疑問が沸き起こります。ビデオ版『ミナミの帝王』、ドラマ、漫画の『ナニワ金融伝』とは一味違った

 借金に関する裏話です。

 

十津川警部 愛と復讐の桃源郷/西村京太郎

 自殺の名所、青木原樹海を舞台に行われた殺人に関するミステリー。

 ライトノベルの中では中では西村京太郎さんの十津川シリーズが一番読みやすく、

 おもしろくて、何気に10年以上の愛読者です。

 

モスクワ狂詩曲(ラプソティー)/安達紀子

 筆者は早稲田大学大学院文化研究科修士課程をロシア文学専攻で修了、その後御主人と共に

 1986年6月から1992年7月まで6年間モスクワに滞在し、ソ連国営会社で就職してきた。彼女の

 モスクワ滞在中に彼女が見たソ連の崩壊の様子、それに伴う人々の心の様子の変化等を描写している。

 ロシアやロシア人に対する考え方が私と似ているので気持ちよく読むことができた。

  

歌舞伎町アンダーワールド/日名子暁・夏原武・山岡俊介 他

 まぁあれだけの町なんだから、なんかあるでしょ。ねぇ。不夜城と呼ばれる新宿歌舞伎町の

 裏と表、極端な成功、極端な危険の存在する町ですね。やっぱり魅力的です。

 

ロシア黙示録/熊谷 独

 東京外語大ロシア語学科卒業後貿易商社に勤務、モスクワ駐在10年を初め、旧共産圏に22年に

 渡り貿易実務に従事した作家熊谷さんのフィクション。

 ノンフィクションかと思わせるほどのリアルさと、ゴルバチョフ政権直後の混乱時の描写がおもしろい。

 私自身の仕事ともかぶる部分が多々あったのでかなり興味深かった。今対ロシアの貿易に

 かかわっている人たちに是非読んでもらいたい一冊!

 

からだ/乃南アサ

 乃南アサさんの本は好きで多分全部読んでいます。作品に不思議な特徴があるのですが、 

 この作品にもそれが如実に現れていて、2回読んでやっと内容が理解できるという感じ。

 体の部分にまつわる短編集。内容は難しくないのであっさり読めます。

 

サヨナライツカ/辻仁成

 バンコクで働いていて、3ヵ月後に結婚を控えた婚約者がいる主人公が同じくバンコクで

 暮らしている沓子に惹かれて行き、後戻りができなくなる話。結末が泣ける。

 バンコクに行った事のある人、バンコクが好きな人は地名などが良く出てくるのでお勧め

 です。ただし、あまりにもせつなすぎて食欲がなくなります。

 

やりにげ/みうらじゅん

 みうらじゅんさんの性暦。為になるようなならないような本だった。挿絵がおもしろかった。

 

 

ロシアン・ルーレット(ソヴィエト帝国の崩壊1989-1991)/今枝弘一

    かなりの枚数の刺激的な写真と共にSSSR崩壊の模様を伝えている。

    どの写真も衝撃的で例えばアフガン帰還兵の様子、社会主義国が崩壊し、その名の通り雪の中で

    行き倒れている    老人、死体置き場、モルドバの経済、マフィアによって惨殺された娼婦等、生々しい

    画像ばかり。

    どうやって撮影したんだろう、肖像権は問題ないのだろうか。この時代をこの国で生きてきたロシア人が

    私達と感性や考え方が違うのは当然のような気がする。

 

 

別れてもバカな人/内藤みか

    本業は官能小説家の内藤みかさんが執筆を続けながらもできちゃった結婚をし、浮気をして離婚し、

    再度幸せになるまでの奮闘記。かなり独りよがりな部分もあるけれど、あまり嫌味でなく、それもまた    

    軽快で、文才を感じた(笑)同じ位の歳でここまで体験するか、というのがウケタ。

 

 

 

 

 

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